歴史と史跡

奉先堂跡

奉先堂は二ノ瀬村を領地とした儒学者林家の家廟。延宝2年(1674年)林羅山(1583年~1657年)の孫が羅山の遺品や遺像を納めるお堂を奉先堂と名付けました。現在は宝暦8年(1758年)建立の碑のみがたたずみ奉先堂の跡を示しています。林羅山は江戸初期の儒学者で23歳の若さで徳川家康のブレーンとなり、家康・秀忠・家光・家綱の将軍4代に仕えたました。

守谷神社・富士神社

守谷神社
祭神 惟喬親王(第55代 文徳天皇第1子)元慶元年 (873年)創祀
二ノ瀬は文徳天皇の皇子、惟喬親王が大原の小野(現左京区)への隠棲以前に閑居したところと伝えられ惟喬親王を祭神としています。鞍馬川東の山中にあったが、台風で社殿が破損し現在は川を隔てて西の山麓にある親王の母、紀静子を祀る富士神社の隣に合祀しています。
※惟喬親王は近江の奥山、洛北の山里の閑地につき深山幽谷の山地を開拓し貞観4年(862年)二ノ瀬に仮居し里人らに挽物の業を教え木地・挽物の祖神と仰がれました。また詩歌にも勝れ伊勢物語等にもでてきます。

富士神社

埋蔵銭出土

民家の裏山で石垣の工事中、偶然に多量の銅銭が発見されました。発見された銅銭の総数は38,462枚で、総重量は146.5kgと京都府下では最多の出土総数を誇ります。そのほか出土品の中に曲物(木製容器)の底板や、土師器片・陶器片・須恵器片(素地)も含まれておりました。埋められた時代が室町時代初めの南北朝の頃(1340年頃)と推定されております。この出土銭貨は、地主の遺志により一括して京都市に寄贈されました。

稱名院

慶長7年(1602年)浄土宗として建立され、この二ノ瀬から出家された「信誉上人」が知恩院でお勤めされ、隠居する際にこの稱名院(称名院)を建立されました。今から90年ほど前に二ノ瀬の大火により焼失しその後建て直されたものです。戦後は寺小屋のようにしてお上人が子供たちの知識の習得の場として開放されていたようです。

お堂

通称、町民は「お堂」と呼称していますが元々は二ノ瀬にはお寺が五つありました、この場所はその内の見徳寺(真言宗)の一つではないかと云われています。二ノ瀬町の中心的な場所にあり現在は町が称名院から借り受け、町民のための集会場所として、またお堂の前の広場ではお祭りや町民の遊技場として多目的に使われています。 隣の空き地にはブランコ、滑り台、鉄棒などの遊具類が置かれちびっこ広場となっております。

大日大聖不動尊

二ノ瀬駅沿いに大日大聖不動尊があります。建立年月日は不詳ですが、不動明王にはあらゆる災害を除き、強敵をも打ち倒すという効験が期待され、町民のささやかな願いや様々な祈りが捧げられてきました。11月の守谷神社・富士神社の「お火焚き祭り」が催されたあとの週に町民たちで「お不動尊お火焚き祭り」が催されます。

樹齢400年のイチョウの樹

お堂の横を流れる鞍馬川の土手沿いに、この町のシンボルのように佇んでいる大木、樹齢400年と伝え聞いているイチョウの木が威風堂々と立っています。 春から初夏にかけて葉が緑色になり秋には黄色に色ずきたわわに銀杏の実をつけ木々全体が膨らんでいきます。 京阪電鉄の「我が心の名木」としても取り上げられ、作家の若一光司さんが次の言葉を寄せています。 「イチョウは"生きた化石"で恐竜が栄えた1億~2億年前に、全地球的に大森林を刑成していた。そのイチョウも今では日本と中国でしか見られない。日本の秋の彩りは、太古の記憶に連なっている。」

東海自然歩道

夜泣峠
東海自然歩道のコースにもなっている夜泣峠は、二ノ瀬から西北の雲ヶ畑に至る峠道です。昔、幼少の惟喬親王が乳母に抱かれ二ノ瀬に出かけるとき、ここで一夜を明かされたが親王が夜泣きをされたため、この峠にあったお地蔵さんに「願」をかけたとたんに泣きやまれたそうです。このことから夜泣峠と云われるようになったと伝えられています。
二ノ瀬ユリ登山道
二ノ瀬ユリは、二ノ瀬の神社の横から貴船山の山腹の東側を北に緩やかに登っていき貴船方面に抜ける登山道です。ユリ道はゆっくりした傾斜の長い坂道のことを云い昔は二ノ瀬には炭、黒木問屋があり牛馬の通り道でもありました。 現在は老若男女のハイカー達が四季をとわず訪れています。

名所

白龍園

叡山電車で「出町駅」から「鞍馬行」に乗り、「二ノ瀬駅」に到着する手前、樹木のトンネルを抜けると山麓に、春には山ごと桜色に輝き、初夏には緑色のグラデーションが目に鮮やかに、秋にはほとばしる血潮のように紅葉が燃える桃源郷が目に飛び込んできます。この庭園は、青野株式会社の創業者によって約50年前に開山され庭内を巡るとあずま屋が点在しうんちくある記念碑や神社、石塔などがあり、苔むす散策道には満ち溢れるばかりの清浄感を感じることができます。
庭園は一般公開はされていませんが昨秋より叡山電車とのタイアップにより「白龍園特別観覧きっぷ」をお持ちの方にのみ特別公開されています、今年の春の桜のシーズンも公開されるようですので二ノ瀬散策に是非お出でかけ下さい。

近隣の名所

鞍馬寺

鞍馬弘教総本山。770年(宝亀1)鑑真和上の高弟鑑禎上人が毘沙門天を本尊として奉安したのが起こり。平安時代は京都の北方守護の寺として信仰を集めた。本殿金堂、多宝塔などは近年再建され、鉄筋コンクリート造り。境内の「鞍馬山霊宝殿」の1階は、山内の動植物、鉱物などを展示する自然科学博物苑展示室、2階は寺宝展観室と與謝野晶子の遺品を展示する與謝野記念室、3階は国宝の毘沙門天像などの仏像奉安室、宝物収蔵庫がある。本殿裏から奥の院への山道に牛若丸の遺跡がある。 建立:770(宝亀1)年

貴船

創建年代不詳。水の供給を司る神「たかおかみのかみ」を祀り、歴朝はじめ現在も農漁業、醸造業者らの信仰が厚い。社殿は1055年(天喜3)元々の御鎮座地より現在の本宮の地へ移されたという。旧社殿地に奥宮がある。水清く老杉繁る京の避暑地。6月1日は「貴船祭」。この日は神輿が貴船町内を練る。また、奥宮にある船形石では、地元の子供たちが「おせんどんどん」と唱えながら船形石をめぐる「千度詣」や、出雲神楽の奉納などが行われる。 京の奥座敷、貴船には貴船川にそって18軒の料理店・料理旅館が点在し、5月1日より名物の「貴船の川床」が始まります。 貴船川に設けられたお座敷にて、せせらぎの涼味を感じながら京風会席料理を楽しめます。貴船の豊かな自然に囲まれ、清々しい雰囲気の中頂くお料理は格別です。

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